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りらっくママの日々

りらっくママの日々

一人の食事

「一人の食事」


息子の部活に振り回される夏。

朝は日常の学校へ行くよりも早く、

給食も無いから簡単なお弁当作り。

先週は、午前中に帰って来て、

プールに行ったまま昼は友達と食べると電話が来た。

翌日は、午後まで部活後にプールと学習時間があったはず。

だけど、予定変更で昼に帰ってくることになり、

私は予定を入れていたので、お弁当を用意して出かけることにした。

そろそろ出かけようとしたところ、息子が帰宅した。

私はなんとなく一人でご飯を食べさせたくなくて、

息子が食べる間、時間ギリギリまで出るのを待った。


私は小さい頃、両親の働く店か、祖母の店で食事をすることが多かった。

小学生になると、両親の帰宅が遅いので祖父が食事を作り、兄と。

中学生になると、祖父の元から店に近いところへ引越したので兄と二人で。

母は食事を作って店に行く。

親はいつも慌しく、兄は食べるのが早かった。

兄が大学生になってから、私は一人で食べていたことが多かったのかもしれない。

ある日母がなぜか店になかなか行かなかった。

今日は、どうしたの?と母に聞くと、

一人でご飯を食べてて何となく可哀想だと思ったから、と言われた。

私は大きくなったら一人でご飯くらい食べれるし、

それが「当たり前のこと」だと思っていた。

親に何か聞かれても言いたくないこともあるし、答えたく無いこともある。

無理して答えたことの返事が不快なことも多かった。

だからむしろ一人で食べることが好都合で、

美味しい物で空腹が満たされれば良いと思っていた。

食事に団欒を求めたことなどなかったし、

4人家族で4人掛けのテーブルには、いつも誰か3人が座る。

ご飯を食べ終わった順に。

それが「普通」だった。

母は忙しさに紛れていたけど、時々気になっていたのかもしれない。

私が一人で食べていることを。


母は17歳で父と出逢って、

働くのと同時に食事を作り、一人で食事することなど無かったのだろう。

一人で食べてて可哀想と言う感覚は、

当時、気楽で普通だと思っていた私にはピンとこなかった。

だけど、側にいてくれたからじゃなくて、

母が私のことを心配してくれたことが表現されたことが嬉しかった。

たまたま気付いただけかもしれないけど、嬉しかった。

けど、「変」だと思ったし、食べてるのを見られてるのは恥ずかしかった。


私の親友は私と食事をしてる時にこう言った。

あなたは淋しがり屋だから、私が結婚したりして、いなくなった時が心配だよ。

と。

彼女は人に気ばかり使っていて、大家族で、姉と部屋が一緒だった。

よく一人になりたいと言っていた。

心を休める時間が欲しかったんだろうと思う。

そんな彼女が過ごしたいと思える男性が現れたなら、

むしろ喜ばしいことだと思い、私は彼女をからかった。

私は一人で過ごすことに慣れていた。

だから大丈夫なのになぁと思ったけど、

私のことをこんなふうに心配する彼女が、

いつかどこかへ行ってしまって、

こんなふうに食事できなくなるようになるのかな。。と思うと、

そのことを少し淋しく思った。

いっしょに食事をしてるのに、淋しく思った。

だから、遠くに離れても会いにいけばいいと思ったし、

それを口に出して伝えた。

彼女が言った未来が現実に起きてしまうなんて考えもしなかった。


束の間与えられた幸せな時間と優しい言葉。

過ぎ去った時にふと思い出す。

あの頃は二度と かえらない。


だからってワケじゃないけど、

自由に過ごしてる私たちだから、

ただいまといただきますを聞けて良かった。

お帰りなさいを言えるのはあとどれくらい?

久しぶりに会える友達と美味しいランチを食べに行った言い訳みたいだけどね。


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